みんなだいすき天空の城ラピュタ。
もはや国民的ジブリ映画の代表格といっても過言ではなかろうこの作品。
私は子供の時からこの作品が大好きで大好きで
VHSに録画されたものを何度も何度も見返し、セリフも諳んじているくらいなのですが、
公開が1986年。大好きなのに劇場で見たことがない。
映画というのは劇場で見られる期間は案外短いもので
それを逃すと基本的に映画館では見ることはできませんよね。
「天空の城ラピュタ」を劇場で観賞する ということは、私の夢のひとつでもありました。
逆に言えば、
「劇場用に作られたこの作品を劇場でみたことがないのにラピュタ好きを公言するなんてなんかにわかの極みみたいでできない・・・口惜しや・・・」
とハンケチを噛みしめる日々をおくっていました。
が、このたびシアタス調布さんの粋な計らいで9日間限定でリバイバル公開されるという情報が舞い込んできました。うっひょう。
コロナコロナと気が滅入る日々ですが、
これはもう行かねばならない。
もし感染したりしたら、それはそれで受け入れよう。
というこころもちで行ってきました。
劇場はほぼ満席
526席というこの大劇場、ごらんのとおりの埋まりップリ。
まんなかブロックは埋まってしまっています。
この社会情勢の中、「ラピュタがやるなら行かねば…!」というラピュタガチ勢たちの心意気を感じます。
うわーーーーほんとにやるんだー、ほんとに劇場でやるんだーと興奮。
これがなんだかすごそうなスクリーン⑩「ULTIRA」のチケットでございます。
ULTIRAとは。
幅約20メートルの大型スクリーンの高画質映像と、イオンシネマ独自の4ウェイ立体音響システムの組み合わせで、不朽の名作を臨場感あるサウンドと迫力満点の映像で楽しめる貴重な機会となります
・・・んだそうです。
ちなみに私昼上映と夜上映の2回見に行ったのですが、
圧倒的にこのULTIRAの方で見ていただきたい!
音の重厚感というか、あっちこっちから効果音がぶつかってくる感じがすごい。
ムスカが降りてくるところなんて声が上からほんとに降りてきて気分は将軍。
感想
↑見終わったわたしの図(画像はイメージです)
わたしが今まで見ていたラピュタはラピュタではなかったんや・・・!
と思わせるほど、劇場でみたラピュタは圧巻でした。
「あー、これが夢にまで見た劇場版ラピュタだぁ」
と感極まった私は普段泣くとこじゃねぇだろってとこでも涙涙。
「劇場でラピュタを見ているアタクシ」という感動の方が大きかったと思いますが
なぜか泣いてしまったところについて書いていきます。
ちなみにラピュタだからもうネタバレとかいいよね、いいよね。
①冒頭襲撃シーン
てててててて てててててて てててててて てててててて
っていうアノBGMとともにドーラ一家の飛行船襲撃。
なぜかここでもう泣く(´;ω;`)
ドーラかっこいい!
戦闘シーンのスピード感(特にドーラがパーティー会場走り抜けるとことか)の作画の細かさったらもう。
②タイトル画面
てんててーん…てんててーん…
というBGMとともに「天空の城ラピュタ」のタイトル画面
泣く(´;ω;`)
何度も何度も見ている映画なのに、
「殿、お会いしとうございました・・・!」感が極まってとりあえず泣く(´;ω;`)
③空から女の子が!
パズーが肉団子を買って職場に戻るシーン。
パズーの足音がすごく繊細。
こんな風に聞こえるなんて。こんなに細かい音声まで聞いたことなかった。
飛行石を光らせながら降りてくるシータ。名シーン。泣く(´;ω;`)
一回シータを抱きとめようとして、肉団子はいったやつに気付いてまた置く演出。
こんなとこストーリーの本筋に全然関係ないじゃないですか・・・!
なのに、ここで何十枚の作画をしてでも、
パズーという少年の優しさ(少女も助けなきゃ!あ、でも親方への肉団子も崩しちゃいけない!)
を描き出す。繊細!超繊細!思春期と反抗期が一緒に来た乙女より繊細!
④パズーのラッパ
朝とともにパズーの超絶技巧が光るトランペットのシーン。
トランペットうめえぇぇぇえ
朝の描写きれえぇぇぇ
パズーの住む町の高低差すげぇえぇぇえ
ラッパの音がパーンと響くこの音響よ。
ずっと聞いてたくなりました。
⑤代わりなぁ!!
ここは別に泣いてないけどw
ドーラ一家が出てくるシーンはラピュタの中でくすりとするシーンが多くてほんわかする。
大人になってみると、ドーラはほんとうに格好いい!!
私が小さい頃はシータが可愛かったり、パズーがかっこよかったりというところで好きでしたが
大人になってみたときのドーラのかっこよさときたら!!抱いて!
パズーの町から脱出するところの「代わりな!!」が超絶しびれます。
そのあとの運転のスピード感もすごい・・・!
⑥ポム爺さん
ポム爺さんが飛行石が含まれた石をキーンと割るシーン。
岩が宇宙のようにきらめくのがきれいすぎた。
「わしには強すぎる…」でなぜか泣く(´;ω;`)
左にシータ、右側にポム爺さんとパズーという構図のあの絵を見てまた泣く。
あの画大好き・・・
⑦手ェぬるい!!
この「手ぬるい!」というセリフの強烈さよ。
ラピュタってほんと声優さんが声で演じててすごい。
将軍はこの「手ぬるい!」と「もーしもしもしもしー!?」と「こらー、ネコババするなー」
で強烈に印象に残る。セリフそんなに多くないのに印象に残るとかすごいw
⑧あの子はどうしたんだい?
シータに「もう帰って」と言われた(ように思った)失意のパズー。
町に帰ってきたパズーを迎える、親方の奥さん?のおかみさん。
この人の声超かっこよくないですか・・・イケボ・・・
「心配してたんだよ」っていうのが、よその子なのにパズーを子供のように思ってくれてるのかなぁ、
親方のおかみさんだから・・・
などと考えてまた泣ける(´;ω;`)ウッ…
⑨シータがそう言った!?バーカ!お前を助けるためにおどかされてやったにきまってるじゃないか!
このパズーの小屋でのドーラとの掛け合いはとっても好きなシーンの一つ!
もうすきなセリフの掛け合いみたいになってるなのですが
ドーラはシータの飛行石だけを狙ってるはずなのに、
このあたりで「あたしの若いころにそっくりだよ」と、シータにちょっと自分を重ねるようなセリフが出始めたり、
「お前、あいつらがあの子を生かしておくと思うのかい」
とまだ少年のパズーに諭したりしてくれます。かっこいい。イケメン。
⑩「40秒でしたくしな!」・・・までの数秒
自分を連れて行ってほしいというパズーの決意に向き合うドーラ。
数秒の沈黙の後、
「その方が娘が言うこと聞くかもしれないね・・・」
と呟くドーラですが、
ドーラ一家は飛行石を狙ってるだけで、シータなんてどうでもいいはずなのです。
そのシータを助けたいという少年の言うことなど聞くだけ損なはずなのです。お荷物が一つ増えるだけ。
それなのに、それなのに(´;ω;`)
多分ドーラとパズーが話した時に、ドーラが「二度とここには帰れなくなってもシータを助けに行く」というパズーの覚悟を汲み取った上での
「40秒でしたくしな!」なんですよね。
「その方が娘が言うこと聞くかもしれないね・・・」は
ドーラのツンデレ―ションだと思ってますw
このあとの「みんな、元気で」と鳩の小屋を開けるパズー。
小さい頃は意味も分かってませんでしたが
「二度とここへは帰れなくなる」(小屋から放ってあげないと餓死してしまう)
からのパズーの行動なんですよね。。
あー無駄がない。無駄がなさすぎるこのシナリオ。完璧です。必要十分の完璧さ。
ここで仮に「僕が帰れなくなった時の君たちのことを考えて扉を開けておくよ」とかパズーが喋ったとしたら興ざめじゃないですか。
「みんな、元気で」
その一言で伝わるのです。
40秒しか時間がないのに、自分の大事なものを持ち出すとかでなく
鳩の扉を開けることを選んだ。
ここにパズーの完璧好青年ップリが凝縮されています(´;ω;`)
それはラストでもそうなんですけどね。
あの場面で、いつムスカに撃たれるかもしれない場面で、
「おばさんたちの縄は、切ったよ」と。
パズーはいつも自分のことより人のことを優先させる心の強い少年です。
自分の大事なものは、自分以外のところにあるということを知っている強さを持っています。
どう育ったらこんな性格になるのか。日本、こんな少年ばっかりになったら良いのに。
⑪ロボット兵(復活~救出)
もうこれは言語に表現できないのですが
好き好き大好きすぎるシーンの連続です。
ここはもう音楽と!映像と!!声優の織り成す!!竜の巣だあぁぁあ!!!(語彙力の低下
元々大好きなシーンなんですけど、
久石譲と宮崎駿という天才と天才がお互いに最高の仕事したらこうなったみたいな
そこに田中真弓とよこざわけい子と初井言榮というレジェンドオブ声優たちが集結したらこうなったみたいな
もう最高の化学反応が生まれた、文句のつけようのないシータ救出シーンです。
シータを中心にフラップターがぐるーっと回るシーンとかすごくないですか!
敵陣に飛び込んだとたん曲調変わるんですけどこれ一体何曲分の要素が詰め込まれた曲なんですか!
あとフラップターが急降下するシーン、あそこ落下する風の音とパズーの声しかしないとこいいよね!
シータの絹を裂くような「パズーーーーー!!」の絶叫も鳥肌・・・!
そしてもちろん
上ぁがれええぇぇぇぇええ!!
からのS字構図でのリカバリー、
ドーラの「最後のチャンスだすり抜けながらかっさらえー!」は
もう最高オブ最高すぎてあたい失禁寸前でした…!(´;ω;`)映画館で漏らさないでよかったです
⑫船での生活
もしかしたら、親なしのシータとパズーが一番幸せだったんじゃないかなぁって
ほっこりするシーン。
仕事をしているけど、ドーラのママにじっちゃん、息子たちが兄弟で
大家族みたいな幸せな時を、ほんの少しでも過ごせたんじゃないのかなぁって思って
またわたし泣く(´;ω;`)
⑬竜の巣へ
これね、映画とはまた別なとこかもしれませんが、
今回、
・天空の城ラピュタという、金曜ロードショーで何度も何度も放映されている映画を
・期間限定の9日間の間に
・ナイトショーで見に来る人
なんて、相当のラピュタガチ勢と思って間違いないと思うんですよ。
ほとんどが、ラピュタを映画館で見たことのない人たち。
でも人生で一度でいいから、劇場でラピュタを観てみたいと思ったラピュタを愛する人たち。
この人たちだからこそできた、ラピュタの世界を決して壊すまい とする観賞マナーの良さが際立ってました。
ラピュタって、結構無音のシーンがあるんだなと気付いたのはこの映画館で見てる時なんですが、
普通映画館で無音になったら何かしらの物音がたってもおかしくないじゃないですか、咳払いとかポップコーンとか。
この竜の巣の突入シーンが圧倒的無音になるのですが、
本当に圧倒的無音。何の音もしない。
ラピュタを愛するラピュタガチ勢の皆様が「吐息の一つも漏らすまい」としていた。
パズーが口だけで(多分)「父さん」と呟くのですが、
下手したらその声が聞こえそうな感覚にわたくしバードスキン(鳥肌)炸裂。
ものすごい没入感でした。いやぁまた味わいたい。
⑭ラピュタ 生き残りのロボット
到着したラピュタの描写の美しさよ・・・・・・・・(´;ω;`)
一般のラピュタのイメージってここに凝縮されてるんじゃなかろうか。
朽ちた廃墟、人工物を覆う自然。
そこに現れた、さっき町を破壊していたロボットと同じ風貌、でも全然違う生き残りのロボット。
誰のお墓かはわからないけどそこに毎日花を供えている。
シータに、花を持ってきてくれる。
心があるんじゃなかろうか。
このロボット兵は、ラピュタを守るようにプログラミングされているんだと思うのだけど、
色んな状況を見て、自分が今できることを見つけるようなプログラムがあるんじゃないか。
それが、人でいうところの心みたいなものだと。
そう思えてなりません。
⑮土に根をおろし、風と共に生きよう。種と共に冬を越え、鳥と共に春をうたおう
ラストシーンのシータの名セリフ。
この時になると、もう守られてばっかりのお姫様ではなく毅然とムスカに向き合う王女の顔をしています。
この時の、遠景の構図が好き。
廃墟に、シータとムスカが小さく描かれる。
人はちっぽけだろう?と問われているかのようです。
個人的にシータは髪が短い方がすき・・・w
⑯バルス!までの数秒
ここまで人外の身体能力を見せつけてきたパズーですが、
最後にラピュタを守るために、滅びの言葉を言うという選択をします。
「僕も一緒に言う」。
シータに!一人で!バルスを言わせない!!男気!!!
多分バルスはシータが言ってこそ発動するものだと思うのですが、
ここでの「僕も一緒に言う」は、シータだけに言わせるという重荷を
半分こにしようとでもしてるんですかねえええ!!もうお前ら結婚しろ!!
とか思ってる私の器の狭さと、
パズーという人間のそれこそ地球の底ほど深い器の大きさを見せられた気分です。
どんだけできた少年なんやパズー・・・ガンジーやマザーテレサとかの偉人と並ぶわパズー・・・
からのー、
「おばさんたちの縄は、切ったよ」
いやね、
①鳩の解放
②「僕も一緒に言う」
③「おばさんたちの縄は切ったよ」
この3つのシーンだけでパズーという人間の底知れぬ器の大きさを感じませんか・・・!!(´;ω;`)
すぐそこに!ムスカが弾を詰めている!いつ撃たれてもおかしくない!
なんなら自分の大砲の弾は弾切れ!
そんな!場面で!
「おばさんたちの縄は、切ったよ」
菩薩か・・・・!!!( ゚д゚)
菩薩じゃ。菩薩がおる。
と心の中のわたしのポム爺さんが泣いてつっこんで大騒ぎでした。
世が世ならキリストさんと崇め奉られていてもおかしくないでしょう。
⑰ラストシーンでのロボット兵
シータとパズーが凧で脱出した後、一瞬だけ無事だったあのロボット兵が映るのですが、
よく見ると肩に鳥を乗せ、キツネリスを乗せ、
手には沢山の花を持っている
シーンが映ります。
あのお墓だけならば、1つ2つでいいはずなのに。
死んでいったロボットたちに、また備える使命が生まれたのでしょうか。
このロボットに幸あれ。
ありがとうシアタス調布さん&ラピュタガチ勢
はい、そんなわけで泣いて笑っての大騒ぎだったわけですが、
今回期間限定で再上映、しかもこの感染症にピリピリしているこのご時世に
色んな感染対策をしながら公開に踏み切ってくださったシアタス調布さんにお礼を言いたい。ありがとうございました。
上映前には支配人さんの粋な前説があり、
「皆様はこれでラピュタを観たことがないコンプレックスから解放されます」
という、さてはあなたもラピュタ大好きねー!?!?
とハグしたくなるような粋な解説でした。
シートふっかふかで見やすかったなぁ。また調布いこう。
そして、そんなご時世の中見に来たラピュタガチ勢の皆様の鑑賞マナーもすっばらしかった。
他の映画の時は、たまにスマホいじってるアホ 輩に出くわしてがっかりしたりするものですが
もう「最後のチャンスだ物音ひとつ立てずにラピュタに集中するんだ・・・!」とドーラに言われているかのように
「もう生きている間に劇場で見れることはないかもしれない」
というきもちが一つになっていた気がしますw
私は2度見ましたが、2回とも上映終了後、拍手が起きました。
30年以上前の映画の再上映で拍手って。素敵杉内。
思っていた以上に私はラピュタが好きだった
見終わった後に思ったのは
「私こんなにラピュタが好きだったんだなぁ」
ということでした。
何度も何度も、繰り返し見てきたはずの作品ですが
劇場版でみた作画の細かさ、アニメの動かし方、声優さんの演技、作画と1㎜もズレない久石さんの音楽表現は
TVサイズのそれとは全然異なるものでした。
ジブリの中で一番好きな作品でしたが、私が今まで見てきたラピュタはラピュタではなかったんや・・・となるほどの衝撃の圧巻さでした。
映画館でみるラピュタはすごかった。
もし今後どこかで上映があるとしたら、私は飛行機使ってでもそこに行きたいなというきもちですw
小さい頃の自分へ。
2020年に夢は叶うよ。
ではまた。