メモリグラフ

写真と記憶の記録 sasaki

「ナウシカを劇場で見る」ことが小さい頃からの夢だった私が夢を叶えてきた

ジブリで何が好きかと問われると人それぞれだと思いますが

私の二大巨頭は間違いなく風の谷のナウシカ天空の城ラピュタです。

 

 

 

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ナウシカは壮大で誇り高く、

ラピュタは究極の冒険譚でエンターテイメントといった感じの、

まさに双方名作、甲乙つけがたしという感じなのですが、

今年の3月にラピュタリバイバル上映された私はスキップを華麗に踏みながら観にいき、大号泣して帰ってくるという素晴らしい経験をしました。

 

memorygraph.hatenablog.com

 

 

さてコロナの影響により、映画の新作上映が次々と延期しているからなのかはわかりませんが、

2020年6月26日~短期間で

ナウシカもののけ姫千と千尋ゲド戦記の4作品が上映されることとなりました。ひゃっほう。

なぜラピュタがこない…このラインナップだったらゲド戦記でなく満場一致でラピュタでよかろう…

 

 

ラピュタを映画館で観るのは私の夢でしたが、

ナウシカを映画館で観ることもまた私の夢でありました。

風の谷のナウシカ、実に36年前の作品だそうです。

行かないわけにはいくまい。ULTIRAで観ようそうしよう。

Let'sシアトル調布。シアトル調布だいすき。

 

 

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トリプル。

でもやっぱりナウシカがダントツでした。ちょっともう異次元。なんじゃこりゃ。

 

 


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「NOW SHOWING」

あぁ、夢じゃなかろうか…

 

 

 

 

 


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みんな大好きULTIRAちゃん

 

 

音響とかは多分ULTIRA仕様というか、いろんな角度から飛んでくる音響ではなかったように思います。

そのあとにみた千と千尋の方が音の方向感があった。

いやでもそんなことを感じさせないナウシカ様。

これが36年前に作られたアニメだと・・・・?

今の時代にこんなアニメはない。この36年間はなんだったんだ。

ありえない、ありえないぞ宮崎駿

 

 

またさんざん泣いてしまったので

熱が冷めぬうちに記録しておきましょう。

好きなシーンやセリフ抜粋型で参ります。

 

 

 

Opening

 

 巨大産業文明が崩壊してから1000年

錆とセラミック片におおわれた荒れた

大地に くさった海…腐海(ふかい)と

呼ばれる有毒の瘴気を発する菌類の

森がひろがり 衰退した人間の生存を

おびやかしていた

 

 

はいもう鳥肌、バードスキン。

ラピュタの時のオープニングでも泣きましたが

ユパ様の「また 村が 一つ死んだ」

で、あぁこれ子供のころから何回も見てたやつだ!みたいな

ここ進研ゼミでやったとこだ!感に溢れてしまい、

一気にナウシカの世界観に引き込まれます。

これを世界観といわずして何と言おう。

創造の別世界をこんなにもリアルに見せられるものなのか、アニメという手法で。

ちょっともう信じられない。

 

 

ナウシカ王蟲の抜け殻を見つけるまでのシーン。

観たことのない世界なのに、あっという間に引き込まれていく。

腐海という、人間の生きられない世界なのに美しい

見事。ほんとに見事。まじ見事(語彙力)

ジブリの中でナウシカって一番我々の世界とはかけ離れていると思うのに

 「こんな世界がありそうだ」と思わせるこの説得力はなんだろう。

 

 

 

風上へ! すまん!

 

王蟲に追われるユパ様と蟲笛で収めるナウシカ

ここで初めて目を真っ赤にした王蟲を見ることになる観客。

こんなインパクトのあるビジュアルどうしたら考え付くんだろうw

 

ナウシカかっこいい。

ユパ様もかっこいい。

テトとの出会い。かわいい。

「ユパ様!この子あたしに下さいな」は良く姉とナウシカごっこをしている際に用いられるセリフでありました。

 

 

 

積み荷を燃やして

 

ペジテのラステル王女。

手錠をされて敵国トルメキアの船に乗り(おそらく捕虜になったのでしょう)

致命傷の傷を負いナウシカに助けられ、命尽きる寸前の言葉。

この「積み荷」、巨神兵のことでしょう。

 

ペジテはどちらかというとトルメキアと似たような思想で

腐海を燃やして人間の住める土地を取り戻すべし」という立場なのですが(アスベルも最初はそう)

この王女様は違ったのでしょうか。

ペジテの人たちは「トルメキア軍にほとんど殺され(と後で長みたいな人が言っている)」、

家族と分かれ敵国の捕虜になり、その途中で自身も命を落とすことになるのに

今際の際に言った「積み荷を燃やして(巨神兵を復活させないで)」の一言は

その後のアスベルや母親のことを思うと涙です。

生きてたら、ナウシカと良い友になったと思わせる。

 

 

 

これがトルメキアの礼儀か!

 

みんなだいすきユパ様が、風の谷がトルメキア勢の急襲にあったときのお言葉。

父親ジルを殺されて我を忘れて大暴れ、来る者すべて皆殺しのナウシカ姫に対し

自らの腕を差し出しSTOPをかけるユパ様。

 

 

トルメキア兵に聞く

この谷の者は昨夜 そなたたちの船を救わんと必死に働いた

今もまた 死者を丁重に 葬ったばかりだ

小なりとはいえその国に対する これがトルメキアの礼儀か!

 

 

はーーーかっこいい

普通に考えれば自分たちの住んでるところに勝手に落っこちてきた船に乗っていた

そっちの国の死者を弔ったのにそのお礼が国王の殺害というなんたる理不尽。

だがしかし戦争とはそういうものなのだろうと思わせる。

結果、小国にすぎない風の谷はあっというまにトルメキアに支配されてしまいます。

 

 

 

これ以上犠牲を出したくないの

 

父親(国王)を殺されたナウシカ、実質この国の王となったはずです。

実の父親を殺されて泣き叫びたいはずのナウシカが風の谷の民達に対して

 

大ババ様も わかって

この人たちに従いましょう

 

というシーンよ・・・(´;ω;`)

娘でなく、もはや姫でもなく、一国の王としての立ち振る舞い。

国民の犠牲を最小にするための決断。なにこのカリスマ。ついていくわ。

 

 

 

この谷の土ですら汚れているんです

 

民の前では気丈にふるまうも、一人で自室にこもる失意のナウシカ

そこにユパ様が来るシーンはこの映画のなかでも大好きなシーンです。

腐海で人間に毒となる瘴気を出す植物たちを、きれいな地下水と砂で育てると毒を出さないことを突き止めたナウシカ

 

 

皆が腐海を恐れ、燃やしてしまえと叫ぶ中

「きれいな土で育てたら大丈夫なんじゃないかしら?」

という菩薩心でこんな部屋を作ってしまうナウシカもすごいw

 

人が住める風の谷の土でもダメだったと言うナウシカ

きっと試行錯誤の末、ここの植物たちと共生するようになれたのでしょう。

このままいけば、きっといつかは。腐海と蟲と人間が共生できるようになる。そう思っていたのに

 

もう ここも閉めます

さっき 水を止めたから やがて みんな枯れるでしょう

 

ナウシカの絶望が現れていて泣ける。

 

 

 

やめて!もう殺さないで!

 

ペジテのアスベルが単身、トルメキアの戦隊に奇襲をかける。

もはや特攻隊同然と思わせるようなこのアスベルの行動、

前後の発言を合わせて考えるとよくわかる。

 

「僕らの仲間はほとんどトルメキアに殺され」て、

「双子の妹のアスベル」を捕虜にとられ、

捕虜にとられた船が落ちたと聞いたら妹の死を知っていると考えても良い。

復讐の鬼となって来たんだとしてもおかしくない。

そしてペジテのガンシップの強度とアスベルさんの戦闘能力すごすぎませんかw

ミトが途中で「なんちゅうもろい船じゃ」と言うのも頷けるw

 

みかねたナウシカが船外に出てアスベルにSTOPをかけるこのシーン。

一瞬だけナウシカが違う風貌になるんですよね。

やはりラステル姫とナウシカは似ているのではないか。

そう思わせるシーンが後半にもある。

 

 

 

ソルジャーとしてのナウシカ

 

戦士としてのナウシカのカリスマ性ときたらない。

大破したトルメキアの船からの脱出は鳥肌。

ほっといても良いはずのクシャナ

 

来い!早く!

 

超かっこいい。

 

ミトへの命令口調もかっこいいいいい

声優さんがすごい。さすが声優さん。

濃い瘴気の中に飛び込んだ後、胸元にしのばせたテトに「しなないでテト」の一言よ。

なんといういたわりの心よ(大ババ様)

 

 

 

 

みんな 必ず助ける!私を信じて荷を捨てなさい!

 

なんと強くて気高くて優しいお姫様ですか・・・!!(´;ω;`)

このシーンだいすき。

声が届かないからエンジン停止してマスクまで取って、という行動に出れるナウシカがすごい。

脚で操縦するそのスキルもすごいwwどこの航空兵ですかww

「私を信じて」と言われたら絶対に信じられると思わせる、こんなカリスマにはついていくでしょう。

 

 

このシーンでわちゃわちゃする老人たちがすきw

ある意味孫くらいの年齢のナウシカに絶対的な信頼を置いている老人たち。

ナウシカさんいったいどんな功績を残してきたんだ。

 

 

 

 

あなたは殺しすぎる もう光弾も蟲笛もきかない!

 

助けながらの罵倒に聞こえるのはわたしだけでしょうかw

ここの曲久石譲らしくなくてすき。

ここのうねーーーーってなってカキーンってなるシーン(伝われ)、動きがすごい臨場感ですき。

 

 

 

 

泣いてるの? うん、うれしいの。

 

小さい頃はなんでナウシカがうれしいんだろう?といまいちわからなかったシーンですが

大人になってみると改めてわかりますね。

腐海の底に、浄化された世界が存在していた。

腐海の植物が浄化した砂と水で、正常な空気が保たれている空間。

蟲はそのためにここを守っている。

それが分かったナウシカはうれしかったんだと思う、彼らが敵でないと確信が持てて。

 

 

 

 

腐海を焼き 蟲を殺し、人間の世界を取り戻すのに何をためらう!

 

戦争は正義と正義の戦いですものね。それを象徴するようなクシャナのセリフ。

共生の道を正義とするナウシカと、腐海の根絶を正義とするクシャナ

映画では描かれないけれどクシャナにはクシャナの正義がある。

 

ペジテの長も、意味合いは違えど同様のセリフがある。

「今は つらくても巨神兵を取り戻せば腐海を焼き人間の世界を取り戻せるのだ」

 

 

腐海は悪、蟲は敵。

普通の人間ならばこの思考にたどり着くだろう。

この世界ではむしろナウシカが異質なのかもしれない。

でも、ナウシカの信じる世界を、アスベルも見ていた。

腐海の底の浄化された空間を。

 

 

「アスベルみんなに言って!腐海の生まれたわけを!蟲は世界を守ってるって!」

 

 

からのー 

動くな!その子を生かせてやれ。ナウシカ!みんなに知らせろ!

 

アスベルがかっこいいのはここですね。

味方に銃口を向けてまでも、ナウシカに行かせようとする。

もはや彼にも分かっていたのだろう。

街を蟲に襲わせ、みんな死ぬ。そこから腐海が生まれる。

人間にとっては毒なものだが、長い年月をかけて浄化する能力を持つ腐海もはやこの星にとって避けられないものなのではないかと。

そんな不毛な悲劇を繰り返したくないと思ったのかもしれない。かっこいいぞアスベル。

 

 

ラステルの母です。

 

ペジテの船に囚われてしまったナウシカの前に

身代わりになると言って現れたふたりの女性。

「あなたは?」の問いの答えは「ラステルの母です」

 

この母親は

 

・娘を亡くしていて

・アスベルから、ナウシカが娘を看取った唯一の人間だと聞いて

・なんなら「積み荷を燃やして」が最後の言葉だったということも聞いたのかもしれない

 

 

ということを踏まえてみるとこのシーンは大号泣です。

「アスベルの母です」ではなく「ラステルの母です」がもう(´;ω;`)

 

 

「私たちのしたことはすべて間違いです」

というのはラステル姫の遺言を踏まえての言葉だろうか。

ペジテ市民は、巨神兵をもって腐海を燃やし尽くすのが人間にとっての正義だと思っていたはず。

娘の死をもって、巨神兵の復活は間違いだったと考えるに至ったのだろうか。アスベルが必死に説得したのだろうか。

もうどっちにしても泣ける。うわーん。

 

 

頼む行ってくれ!僕らのために行ってくれ!

 

この「僕ら」というのは(風の谷の人のためだけでなく)ペジテの人たちのためもということだろうか。

計画をもう進めているペジテ側の人物がいることもアスベルは知っているはず。

「それを止めてくれ」という意味にも聞こえる。

ペジテの人が風の谷を襲わせるのをやめさせてくれと。

ペジテの悲劇を繰り返したくないという風にも聞こえる。

 

 

そしてここからのコルベットメーヴェの戦いが超かっこよくて

できればここだけ無限リピートしていたいきもち。

音楽がまた超かっこいい。最高だ久石譲

ナウシカパイセンの飛行技術がパネェです。どうやったらあの弾をよけきれるんだい。

そこからのユパ様無双。ユパ様かっこいい・・・!!

あとで調べてユパ様が45歳だという事実をしりました。衝撃。60歳くらいだと思ってた。

 

 

わしらは水と風の方がえぇ

 

火と水・風が対比的に語られるシーン。

腐海からの毒のせいで、すこしずつ身体も侵されていく手を

ナウシカは働き者の綺麗な手だという。

ナウシカは完全なる美しさを求めない。

この世界の醜さも、毒も、すべてひっくるめて人間は生かされているのだと。

 

 

 

王蟲の赤い光

 

谷へ戻るミトとナウシカを待ち受けていたのは無数の王蟲たちの攻撃色である赤い光の波。

アニメなのにぞっとする光景だ。

津波にも似た、怒りのエネルギーの先には

ペジテの人にさらわれた王蟲の子供が宙釣りにされて運ばれていく姿があった。

あふれ出る青い体液。苦しむ王蟲の子。

そりゃ王蟲も激おこだわ…

ナウシカじゃなくても言いたくなる。

 

 

なんとか群れに返そうと奮闘するナウシカに容赦なく銃口を向けるペジテの2人だが、

若者の方は何かを叫ぶナウシカをみて

「あの人は敵じゃないよ」

と言う。

 

ナウシカの姿にラステルを重ねる若者。

ナウシカが託されたのはラステルが着ていた服。

この若者はラステルを知っていた。王族に近い人物なのだろうか。

結果的に、ラステルの服を着ていたことがナウシカを助ける。

ラステルを看取ったことがこんなところにも影響している。ラステルも良い姫だったんだろうなあl…。

 

 

この若者、ナウシカが自分たちを谷まで運ぶよう言うときも

「でも君も死ぬぞ!」

と心配するような言動を見せる。いい人感満載の若者でした。ただし相方のおっさんはだめだ。

 

 

 

今、みんなが迎えに来るからね。

 

王蟲の幼生をナウシカが止めるシーン。

もはや生き物の住めない酸の海に足を突っ込んだナウシカの傷を癒す王蟲

人間にあんなにひどい目にあわされたのに。泣ける。

 

ナウシカ「今みんなが迎えに来るからね…」は、

迎えに来られた時にはナウシカが死んでしまうことを意味しているのに

彼女はとても優しく、安堵すらしているように思える。

こちらに迎えに来てくれれば、幼生の王蟲は助かり、風の谷の皆も助かる。自分の死は覚悟している。

ということなのだろう。

何といういたわりと友愛の心じゃ・・・!(大ババ様)

 

 

 

というわけで個人的にはメーヴェコルベットの戦いからの後半がもうほぼほぼ泣きっぱなしでぐしゅぐしゅでした。

色々つらつらと書いてみましたが、まぁヒロインナウシカがものすごすぎやしませんか(語彙力)

国の姫(実質王)として、国民を守りたい、腐海と蟲さえも愛したい、

ほんとに慈愛と友愛に満ち満ちた姫やで・・・!(´;ω;`)ウッ…

 

 

 

公開から36年と聞いても、この映画に匹敵する壮大なテーマを持ったアニメ映画は生まれていないと確信できる作品でした。

観て良かった。ほんとに映画館で観れてよかった。訴えかけるパワーがものすごかった。

 

 

 

なのでこうなった。 

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 一生のうち、映画館で観れたナウシカが3回と考えたら少ないくらいじゃないですか…?

 

 

マスクをしないと5分で肺が腐ってしまう 腐海という設定。

今の我々も、マスクが手離せません。

2020年の今こそ、見て何か感じるものがあると思うのです。

 

おしまい。