これが私の標準レンズ!Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50が教えてくれたこと
こんにちはsakiです。趣味はマクロプラナーの布教活動です。
お気に入りのレンズってありますよね。ないですか?ないなら今から良いレンズのこと書くからそれ買ったら良いですよ。
今日は私に
「写真ってこんな風に撮れるんだ」
「レンズによってこんな風に変わるんだ」
と教えてくれた大大大好きなレンズについて語ります。
Carl Zeiss Makro Planar T* 2/50 ZF.2
2010年にコシナから発表されたCarl Zeissのレンズ。
Planar(プラナー)という名前の由来は 平坦を意味するプラーン(独:Plan )だそうな。CarlZeissレンズのPlanarとかDistagonとかは、厳密にはレンズの名前じゃなくてレンズ構成を表す名前だそうですね。
私がなぜこのレンズの存在を知ることになったかという話ですが、
今はインターネットでいろんな写真投稿サイトがありますよね。
私も去年の11月ごろD750を買って、上手い人の写真をパクろうといろんな人の写真を参考にするのも好きなので色々見てたんです。
で、なんとなく「あ、これ好き」「あ、きれい」と思う写真をストックしておいたんですが、
後になって「これどんなレンズで撮ったんだろう」とチェックしてみると
Carl Zeiss Makro Planar T* 2/50
Carl Zeiss Makro Planar T* 2/50
Carl Zeiss Makro Planar T* 2/50
・・・と、このレンズで撮った作例の嵐だったということがあったのです。
こうなると浅はかな私はどうなるか。
これがあればこんな写真が撮れるんだ!
欲しーい!(*゚∀゚)=3 マクロプラナーマクロプラナームッハー
ああ浅はかだ。我ながらなんと浅はかなのだ。だがしかし考えてほしい。こういった浅はかな人物が経済を回しているのではないのか。懐に溜め込んだお金が何になるというのか。素晴らしい技術を使って生み出してくれたレンズメーカーさんに還元せずにレンズ界の未来はあるというのか。いやない。レンズやカメラの未来のために私は欲しいレンズを買わなければならない。
でも今考えるとこの考え方って割と間違ってないんじゃないかと思ったりしています。
写真ってカメラとレンズを同じもの使って、同じシチュエーションで同じ設定で撮れば初心者も上級者も同じものが撮れるはずだもの。
大した努力もせずに道具さえ揃えれば良い写真が撮れたりするのも写真の良いところですよね。私に向いています(ぼそり
マクロプラナーゴリ押しおじさんとの出会い
私は池袋とか新宿の家電量販店でレンズを買うことが多いのですが、
その日もフラリと寄ってみました。
すると、なんということでしょう。
入ってすぐのガラスケースの中に
CarlZeiss Makro-Planar T*2/50 ZF.2 ¥49800-
が鎮座ましましていたのです。
私は目を疑いました。
確かもうこのころマクロプラナーの生産終了がアナウンスされていて、
もしかしたらお目にかかれないかもしれないとすら思っていたのです。
悩みました。それまでに買った一番高いレンズは4万円台前半。まだ沼どころか水辺にすら達していなかった私にとって決してお安い値段ではありませんでした。
あまりにも必死の形相でガラスケースの中のマクロプラナーを見つめていたのでしょう、いかにもカメラ好きの店員のおじさんが近づいてきて、
「気になりますか。触ってみます?」
と私に声をかけてきたのです。
おじさんはD750にマクロプラナーをつけて渡してくれました。
わぁ重い。冷たい。
第一印象はそんな感じでした。
その時使っていたD750キットレンズの24-120が710g、MAKRO-PLANARは510gなので重量的には軽いはずなのですが、なぜかズシリと重く感じました。
そしてひんやり冷たい金属製の質感。
もう多分この瞬間に魅了されていた気がします。
ファインダーを覗くと、そこにはMAKRO-PLANAR越しに見る私の世界が広がりました。
あ、世界が明るい。
ピントが薄い。
初めて経験するマニュアルフォーカス。
これどうやって合わせるの?あぁこうか。え、撮影中ずーっとこれで合わせるの?みんなすごい。こんなことできるのかしら。
今までAFしか経験していなかったので、初めて自分で合焦させるZeissのフォーカスリングに戸惑いを覚えます。
でも今まで触ってきたレンズのスルスルフォーカスリングじゃなくて、
ねっとりぬるーっと動く感じがなんかもう、気持ちいい。
「このレンズ使いたい」。
そこからマクロプラナー大好きおじさん店員は
いかにこのレンズが優れているかということと
「僕も持ってますよ、一生ものですよ。Planarの方が安いけど、断然性能はこっちだね」
とアパレルの店員のねーちゃんのような雑なセールストークで私にジャブを浴びせてきます。
が、そんなことしなくても私はもう決めてました。これひとつくださいな。
聞くところによると、これを手放した前所有者はお医者さんなんだとか。
持っていても撮りに行く時間がなくて泣く泣く手放したんだとおじさんが教えてくれました。
会計の際、
「可愛がってあげてくださいね。レンズは使われてこそ幸せですから」
と名言を頂きました。
安心してくださいおじさん、私の手元に来てくれたマクロプラナー50㎜は相当に溺愛されているので多分けっこう幸せです。
スペック・外観
重さ510g、フィルター径67㎜、焦点距離50㎜、最短撮影距離0.24m、撮影倍率1/2倍のハーフマクロレンズです。撮影倍率とかよくわからない人は困ったときのログカメラ。saizou先生に聞きましょう。
絞り羽根は9枚。
きゅっと絞ったところ。
私が購入したのはCPU内臓のZF.2なので、A(絞り優先)、S(シャッター優先)、P(プログラムオート)モードが使用できます。助かります。全部マニュアルで設定するなんてむーりー。
フォーカスはマニュアルフォーカスだけです。
AF(オートフォーカス)ばっかりだった私にとってMF(マニュアルフォーカス)だけっておいおい大丈夫なのかと不安しかありませんでしたが
今は逆にAFに違和感を感じるほどMFに慣れました。
私がその後買うレンズがことごとくMFだったことも影響しているのでしょう。
D750につけるとこんな感じ。
あつらえたかのようにぴったりです。きゃーお似合い!可愛い!カワユスは作れる!
レンズフードも金属製。これを「ぬるー、カチッ」とはめる瞬間にエクスタシーを感じる信者は私だけではあるまい。
ちなみに私のレンズフードは買って間もなくどこがどうなったんだか分からないんですが歪んでしまい、今ではこのような風貌になっております。
多分撮影には支障ないのでこのまま使っておりますので、ゆがんだフードのマクロプラナー使っている人がいたら私です。
アタイ歪んじゃった・・・///
初マニュアルフォーカス。やっぱり苦労した
初めてのマニュアルフォーカスなわけですよ。今までグッとボタン押したらシュッとピントを合わせてくれてたのがないわけなんですよ。
自分の手でぐりぐりして合わせなければいけないわけなのですが、「被写界深度」というものの存在感をまじまじと実感したのはこのレンズです。
被写界深度が分からない人はまたsaizou先生に聞きましょう。
絞り解放に近づけば近づくほどピントが合う被写界深度が浅くなるということですね。
さてMakro-Planar50の解放F値は2.0。
解放で撮ってみましょう。
うっすー!
なにこれ、カミソリピントとかよくいわれるけど、もううっすうす。驚きの薄さ。サガミオリジナルもびっくり
まさにカミソリでスパっと切るような薄さで、当初はこのピントの薄さに苦労しましたが、この薄いところにピントをもってくるという作業が今までのレンズにないところで本当に楽しくて楽しくて。
解放でうっすうすのまましばらく撮って楽しんでました。
「絞る」ことを覚えたのはしばらく後になってのことでしたw
なんでも撮れちゃう万能感
さて解放からピント面はシャープなんですがごらんの通りのピントのうすさなので訳が分からなくなることもw
なので少し絞ってみるとまた一段とパキッとカリッと解像してくれます。
F3.2。髪の毛の一本一本がパラパラチャーハンのように描き分けられる。(語彙のなさ
F5.6 光の中の、糸より細い線も描き写してくれる
F5.6
これ買ったばっかりの時の写真なのですが、今改めて見てみて「すげぇなぁ」と自画自賛してます。全ての葉がくっきりと。
F2.8 遠景
マクロという名がついてますが、50mmという画角なので近かろうが遠かろうがバシバシと撮ってしまえるすごい万能感です。謎の動物の足跡までくっきり解像してくれます。
写真を撮る楽しさを教えてくれた
私は2015年に分不相応にもD750を購入してしまったわけなのですが、その1か月後くらいにこのレンズを入手しました。
写真を撮ることの楽しさを教えてくれたのは間違いなくこのレンズ。
この記事を書くために過去の写真を掘り起こしているのですが、
2015年12月~2016年2月くらいまでは標準ズーム?何それ美味しいの?と言わんばかりにこのレンズを持ち出しています。
色んなところのレビューを見たりしていたので、「その場の空気感まで写し取る」という例の文句は色々なところで見ました。
私はどうもそのイメージがつかず、「レンズが空気を写すわけないじゃろう」とやけに冷めた目でみてたとこあったのですが、このレンズを使ってみて、その言い回しが分からなくもないなと思うようになってきました。
今まで自分の写真には「色」と「形」しか感じられなかったのですが、このレンズを使うと色々な感覚が伝わる気がします。
「温度」を感じる。
「音」を感じる。
「静寂」を感じる。
「愛情」を感じる。
あぁ、写真って五感を写し撮るんだ。
そう教えてくれたのはマクロプラナーです。
このレンズが手元に来てくれて本当に良かったです。
私の持っているマクロプラナーは既に生産中止になってしまっていますが、現在でも中古で8~9万の値がついています。(定価11万ほど)
現行モデルはMilvusの2/50Mというモデルになります。
クリスマスにマクロプラナーをおひとついかがですか。
自信を持ってお勧めできる、最高のMy標準レンズです。
これを持ち歩きたいためにボディを増やそうとしていますが、それはまた別のお話(^-^)
ではまたー。