こんばんはsakiです。良い写真は良いものですね。
1月18日から神奈川県立地球市民かながわプラザ(あーすぷらざ)で開催中の
「天野尚 写真展 未来へ残すべき美しい自然」へ行ってきました。
先日東京ドームシティでやっていた写真展にも足を運び、すっかり彼の写真の虜になってしまい、この展示会も絶対行こうと思っていたのです。
会場内写真OK拡散OKとのことだったので、
すごい写真をしょぼいカメラで撮るという野暮野暮しいことをやらせていただきます。
天野尚さん
恥ずかしながらこの方の撮る写真を見たのも最近のお話なのですが、
かつてはプロ競輪選手、出場停止中にカメラ片手に海外へ。なんやかんやしてたらネイチャーアクアリウムの第一人者になり、最終的に超大判カメラで風景写真家
というなんか興味の範囲がめちゃくちゃでめちゃくちゃエネルギッシュな方だったようです。
特注の超大判カメラを自然界に持ち込んで徹底的にその描写力にこだわったという変態天才。
その描写力は例えるなら視力6.0の世界で、人間の目には捉えられない圧倒的な情報量が描写されるとのこと。
フィルムのサイズ比較が展示されていました。
下の「通常のフィルム」が我々がよく目にする35mmフィルム。
その上のが彼が使っていたフィルムだそうです。
プリントした写真でなくてこれがフィルムです。なんじゃこりゃぁ。
もちろん市販はされておらず、天野氏がFUJIFILMに直訴して特注で作ってもらっていたのだそうです。
このフィルムの解像感がまぁ鳥肌もの。
「こんなの見たことない」
私がぽろりと漏らしながら、そのカリカリ感から目を離せずしゃがみこんでまじまじ見ていたら
ADAの社員の人?が解説しにきてくれました。
あとでよくよく聞いたら、アマゾンの撮影にも一緒に行かれた方だったようです。
厳しい自然の中、重い機材をもち、特注のフィルムを使い、光、気候条件によって変える設定。
撮れる!と思ったら「走れ!撮るぞ!」と率先して走ったという天野氏。
フィルムなので、撮影後持って帰って現像するまでどんな絵が撮れているか分からない。
「それでも、天野には撮る前に見えているんでしょうね。その絵が」
という語りが印象的でした。
機材。
sinarのカメラが展示してありました。
「紙芝居でもやるのかな?」と首をかしげたくなる大きさ。
カメラはそれほど重くないけど三脚とフィルムの運搬が一番重くて大変で、
撮影に行く時は最低2人のお弟子さんを連れて行っていたのだと社員の方が話してくれました。
晩年はデジタルも使っていたし、人物を撮るときはデジタルも多かったが
風景は徹底的に超大判に固執していたのだそうです。
「固執」って言葉、あんまりポジティブなイメージで使われないけど
こういう固執はいいなと思った。
「これじゃなきゃ」ってこだわったもの。
それが人を惹きつけるならそれでいい。
三脚はGitzo。
過酷な環境でカメラを支えてきたであろう傷が刻み込まれています。
超特大パネル写真展示
写真をカメラで撮ってお見せするのもなんだか無粋ここに極まれりという感じですが、
数ある作品の中から何点か、こんな感じだったという雰囲気がお伝えできればと思います。
大体どれくらいの大きさの展示かというと、
これっくらい。
新潟 大月の棚田
「まるでそこにいるような」
という言葉がここまでしっくりくる写真があることにおどろきながら
私はずっとその無理のない階調と自然の色の美しさ、雄大さに圧倒されました。
ただ「特大だから」ということだけでは決してない、圧倒的な世界がこの狭いホールの中に広がっていました。
佐渡 夕景の三島
私が一番見つめていたのがこれ。
まるで、自分がそこにいるみたい。
音とか、温度とか、匂いが伝わるみたい。
そんな感覚が体に降りてきて、私は
「写真に飛び込めそう」
と自然と呟きました。
3月25日(日)まで開催中
もうご本人がこの世にいないのが残念でなりませんが、
この素晴らしきかな展示がなんと無料で、3月25日まで開催中です。
期間中、CP+もあるので、横浜に寄られた際は是非足を運んでいただきたいと思います。
視力6.0の世界を、ぜひ。
ではまたー